キャラクターについてあれこれメモ

キャラクタービジネスのはじまり

根本圭助先生



千葉の松戸市で根本圭助先生にお会いした。知らない人も多いだろうが、日本でキャラクタービジネスが注目され始めた頃、第一線で活躍していた先生だ。その頃は、イラストレーターやキャラクターデザイナーなんて職業も確立していないのだから、この分野の“さきがき”的存在とも言えるね。「鞍馬天狗」や「ひっこりひょうたん島」、「仮面ライダー」などいろんなキャラがテレビに登場しはじめた昭和30年後半からの話で、平成生まれの人にはピンとこないと思うけど、この頃キャラクターつきの商品であれば、何でも売れたのだそうだ。つまり、キャラクタービジネスを本格化させたのは、テレビキャラクターだね。でも昭和50年頃からテレビキャラクターもあふれてきて、何でも売れるというわけにはならなかった。キャラが少ないうちは良かったのだけど、消費者側も選択するようになったんだ。
 昭和30年代生まれとしては、子供の頃、キャラつき文具が欲しくてたまらなかったけど、なかなか買ってもらえなかったな〜。そんな商品デザインをしていた先生にお会いして、かつての資料を拝見させて頂けたのは、キャラクターの仕事をしている者にとって幸運としか言いようがない。


 当時のキャラクタービジネスは、版権の奪い合いだったそうで、契約業者同士も仲が良かったのかどうかはわからないが、一つのキャラクターを中心に親睦会のような組織ができるほどだったとか。テレビキャラクターの地位が急激に高まったんだね。「ディズニー意匠研究会」や「(スパー)ジェッター会」「ソラン会(宇宙少年ソラン)」などいろんな組織があったんだって。キャラ商品にも文具から日用品まであるから、原作者やそんな業者の人たちが集まり、このキャラはいつまで存続するかなんてワイワイやってのを想像すると面白いな。まあ、ビジネス本位なんだけど。
 ところでこの根本先生は、故・小松崎茂という画家のお弟子さんだ。戦前や昭和30〜40年代の人には懐かしいイラストレーターで、軍艦や戦闘機などの絵は人気だった。戦後はSFみたいな絵もたくさん書いていて、「日本SFアートの嚆矢」と言われるほど。時代が進みにつれ、そうした小松崎茂もやがてキャラクター商品の絵を描くようになった。彼の絵はテクニカルイラストレーションに近いから、何でもできるわけじゃないけど、ピッタリだったのが「サンダーバード」。サンダーバード1号や2号とかあって、国際救助隊隊長のジェフ・トレーシーとか、1号のスコット船長などが登場するテレビ人形劇だ。そんなわけで、小松崎茂の描いたサンダーバード資料の数々も見させて頂けました。
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 現在、根本先生は、松戸市で「昭和ロマン館」という昭和の資料館を運営されていますが、東日本大震災の影響により残念ながら休館中です。それから、筆をペンに変え、小松崎茂に関する本や記事を書く執筆活動をされていて、特に「異能の画家 小松崎茂」という回想本は、細部にわたる観察により、当時の様子がよ〜く伝わってきます。
 しかし、絵を描かなくなったわけではなく、進行中の絵も拝見。その絵のなんとかわいらしいこと。久しぶりに生き生きとしたキャラクターデザインを見たような気がします。

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